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受け継ぐ

また、映画を観てきました。
『東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜』。

リリー・フランキーの原作を、
まだ、途中までしか読んでいないし、
ドラマも見ていなかったし、
今回のこの映画が、わたしには、ちゃんとした“東京タワー体験”だったわけです。

ストーリーは、ボクとオカンの最期の日々で、ボクが、自堕落だった昔のことや、
幼少のときに暮らした田舎のことや、オカンの陽気な姿を思い出している。
たまに、オトンがひょいと出てきては、寂しそうな背中を残して消えてゆく。
ちょっと、変かも知れないけど、このひとつの家族の日常を、淡々と描いているだけなのです。

でもなんかさ、いろいろ考えてしまったよ。
オカンがどんどん小さくなっていくのを見ているとさ、
すごくいたたまれなくなった。
いくら病んでいても、オトンが来るときは、
髪型を整えたり、指輪をさりげなくはめてみたりしていて、とても可憐で、
かわいくしてるオカンを見て、グッとなってせつなかった。
ボクの名前を呼ぶオカンが、好きだった。

わたしが、母を亡くしたとき、この映画にじんわり浮かび上がっていた、
「死」というものにはなんにも、覚悟みたいなのがないままで、
ろうそくの前で眠っている母がずっと信じられなくて、なかなか声も出なかったことを覚えている。
そんでいきなりもう、すぐ母は焼かれてしまって、骨になってしまって、
何が起きてるのかわからず、きちんと「さようなら」も言えなかったから、
ちょっと、ことばは悪いけれど、オカンを最期に大切にすることができたボクは、
とても幸せだと思ったんです。

親が死んでしまう日は、いつか、かならず誰のところにもやってくる。
そういうことを、ふだん意識することはないし、
家にいないときは、親のことを忘れていたりもするんだけれど、
それでも、素直に、この東京タワーのボクみたく、親のことは好きでいたい。
それで、誰かに話すときは、声が自然に優しくなるような感じがいい。と。
びっくりするくらい新鮮に、わたしのこころはふつふつ沸き上がっております。

東京タワー。とってもいい映画でした。
樹木希林さんのようになりたい、と周りのともだちに言ってきたことを、
わたしは、誇りに思います。ふふふ。
希林さん、ほんとうにすばらしかった。ブラボー。
オダギリジョーは何を着ても、男前でした。ピンクがよく似合います。

家に帰ったら、
青森県立美術館からCDとコードが書いた譜面が届いていました。
わたし、空気公団のワークショップに参加するのですけれどね、
かんたんな曲を作るんですけれどね、できないかもしれません。
とりあえず、寝て、待ちます。
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