あたらしい
右に出て、まっすぐ行って、
信号が見えたらまた右。
マーケットをすぎて、銀行もすぎて、
まもなくの交差点を左にいく。
そのまま進んで、ふるい桜林が見えるまんまえに。
あたらしいマンチ食堂は、すでに、うぶごえをあげていました。
弘前の駅前よりも、
もっともっとしずかで、
ひとびとの暮らしのなかにスポっと入り込んでいるような場所に、
タカシさんときぬよさんのふたりが、またはじめた。
おいしい玄米ごはんと、ぴりりーとするスパイスとナンプラーの香りを、
こうやって、田舎に帰ってきた息子のように、
くんくーんと嗅いでいるわたしは、
ほんとうに、声にだして「ただいま」と言いたくなってしまったんだよ。
箸を持つ手を、止めて、
桜林のほうに耳をすます。虫の声とはっぱの音。
きもちのいい風。
ひろびろとした部屋からは、きぬよさんの畑も見える。
野菜の花が、かわいらしく咲いていた。
自転車に乗った学生さんは、歌をうたってごきげんにとおりすぎてゆく。
「ウチのまえ、うたっていくひと、けっこうたくさんいるんだよねえ。」
と、きぬよさんが笑っていた。
なんとなく歌いたくなるのもわかる。
そのくらい、まっすぐな道のうえ。
まんぷくのしあわせが、わたしのカラダのなかでふたたびうずきはじめました。
まぎれもなく。きょうを、生きている。
ありがとう。また行くね。
マンチ食堂、おかえり。ただいま。
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